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端午の節句。
こどもの日。
祝日法によれば、
「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する」
ことを趣旨としている。

そんなこどもの日によせて、思うことを少し。

秋山立花を立ち上げたとき、
まさか、自分自身がこれほどまでに子どもにコミットした事業を
するようになるとは思いも寄らなかった。

駆け出しの建築設計事務所として、
カネもコネもないままに、
27歳で独立した僕としては、
どうやってこれから事務所を維持していこうかと、
暗中模索の時期だった。

ただ、漠然とだけれど、
既存の設計事務所のやりかたでは、
どうにもならないなという思いだけは強かった。

依頼がきて、デザインして、設計して
というサイクルはもう破綻しているのが目に見えていた。

そんななかで、建築設計事務所として何ができるのか、
考えた結果というよりも、本能的に選んだのは、
社会に対して、もっと関わっていかなくてはということだった。

建築設計の業界は、とかく内向きで、
社会と広く、深く関わっているはずの業界なのに、
一般的には知られていないし、伝える努力もしていない。
結果として、社会の流れから隔絶してしまっている感がある。

社会と隔絶されているから、
認知されないし、尊敬もされない。
妙なレッテルやイメージだけが漠然と流布されて、
実態はよくわからないまま。
それが建築設計事務所だ。

それでも僕は建築が好きだし、
建築設計事務所はもっと社会に対して責任ある立場になれる、
と強く強く思っていた。
だから、社会に対して、もっと建築設計事務所の価値を問いたい。
と考えたのは自然なことだった。

自分は建築設計事務所として、何を社会に問いたいのだろう?
そう思って、一番最初に頭に浮かんだのが、
「子育てと仕事の両立ができない現状」だった。

僕にとって、子育てと仕事が両立できないというのは、
「意味が分からない」ことだった。
こどもを産み、育てるという事は生命としてとても根源的で大切なこと。
仕事をするということも、人生の中でとても貴重で大切なこと。
どちらが大切と比べるような対象ではなくて、
どちらもしっかりとやっていかなくてはならないこと。
それなのに、なぜ両立できなんだろう?
なぜ、こどもを産み育てると、
社会的に制裁を受けるようなことになるんだろう?
それがなぜなのか本当に「意味が分からなかった」
純粋におかしいと思ったし、
そうした環境がまかり通っていることは、間違ったことだと思った。

そんな思いからうまれたプロジェクトが、
ペアレンティングホーム』だ。

ペアレンティングホームは幸運なことに、
多くのメディアにも取り上げられて、
現状では「成功している」例として認知されている。

もちろん、課題はまだまだ多いし、
改善していかなくてはならないこともある。

ただ、だからこそまだまだ多くの可能性を秘めている。

これからもこどものために、
そして子育てをしている親のために、
ペアレンティングホームプロジェクトを推進していきたい。

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