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ずいぶんと寒くなってきましたね。
僕は寒いのが大層苦手なので、これから迎える冬のことを思うと、
はやくも夏が待ち遠しくなってしまいます。

ところでみなさんは寝ている時に「夢」って見ますか?
僕は必ずと言っていいほど見ます。
しかも、かなり鮮明に見る事ができます。

大抵は仕事に関連した夢なのですが、
中にはいったいぜんたいどうしてこんな夢を見たんだろう、
といぶかしく思うほど奇妙な夢も見ます。

割合としては6割が仕事の夢。
3割が野球の夢。
残りの1割が奇妙な夢。といったところ。

ちょうど7ヶ月前の3月3日に見た夢のことをノートに書き残していたので、
今回はそれをそのまま載せたいと思います。

今思っても不思議というよりは奇妙な夢でした。

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草原に象の群れがあった。
あたりはすっかり夜の闇に包まれていたけれど、
不思議なことに草原の緑とその象の群れだけはくっきりと見る事ができた。

草原はどこまでも続いていて、ところどころに茶色い丘があった。
遠くの方で草原の緑と夜の闇が入れ替わっていた。
その境目は混じり合う事なくくっきりと、一直線に伸びていた。

象というとまっさきに思い浮かべるのが動物園にいる象だけれど、
目の前にいる象たちは、いままで見たことのあるいかなる象と違っていた。
それは、圧倒的に巨大な象だった。
ただ大きいのではない、圧倒的に巨大なのだ。
一頭一頭が街の一街区くらいありそうだった。

象の体はごつごつとした灰色で、それは岩石を思わせた。
実際に象なのか岩の塊なのか判別に苦しむくらいだった。
ただ、象からは無機物からは感じることのできない
生命力のようなものを感じることができたし、
時折まばたきをすることから、どうやら生きている象らしいということがわかる。

象の目はその巨大な体からすると不釣り合いなくらい小さなもので、真っ赤だった。
透明感はない。どこまでも濃く、凝縮された赤だ。
なにものもその瞳には映らないので、果たして見えているのかどうかは分らない。

象たちはまばたきをする以外には身動きをすることはなかった。
寒さに耐えるペンギンの群れのように、一頭一頭が隙間無く寄り添って、
ただじっとしていた。

象はどこから来るのか分らないけれど、
気がつくと一頭、また一頭と増えて行く。
象たちはなんの音もたてることなく突然あらわれて、群れに寄り添った。

群れを構成する頭数が30を超えだしたころから、
象の背中には人間が姿を現しだした。
人間は湧いて出るように次々とその人数を増やした。

男たちはそうする事が当然だという感じで、
象の背中にコンクリートの基礎を築き始めた。
作業は黙々と進められた。
まずは家ができ、次に学校ができた。
しばらくすると公園までもが作られた。
象の背中のあらゆる場所で、あらゆる人間が街をつくっていった。

街づくりが一段落すると、人々は日常の生活を始めた。
そこではこどもでも大人でも学校に通う事になっているようだった。
働く場所みたいなものはなかった。

眠り、目覚め、学校へ行き、家に帰り、また眠った。
同じような生活がいたるところで同時に行われていた。

人口は着実に増えているようだったし、象の群れも着実に増えていた。
新しく群れに加わった象の背中でも人々は街をつくり、そして住んだ。

同じような日常が繰り返し繰り返し現れては消えた。
昨日と明後日の区別も3年前と今日の区別もつかないくらい、
まったく同じことの繰り返しだった。

それでも人々は幸福そうであったし、
着実に街も成長していった。

ただ、彼らが住んでいるのは象の背中なのだ。
彼らの生活のすべては象が握っているのだ。
果たして、彼らはそのことを知っているのだろうか。

象たちは時折まばたきをした。
その濃く赤い目で何を見ているのかは分らない。

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