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先日とあるテレビ番組で、
仕事をする上で「勇気をくれた言葉」を特集していた。
なんとなしに見ていたのだけれど、
ふと、僕にとっての「勇気をくれた言葉」はなんだろうなと考えてみた。

しばらく考えてみたけれど、
どうも思い当たる言葉はひとつしかない。
それは小さい頃から、
幼稚園児だったころから母親に言われていた言葉だ。

「才能のない者は努力をするしかない(そしてお前には才能はない)」

家訓とまではいかないけれど、
これは秋山家にとって、鉄の掟のようなものだった。
兄弟全員がそう言われて育った。

才能があり、一芸に秀でているものはそれで飯を食っていける。
しかし、そのような人間は一握りである。
ゆえにその他多くの凡人は必死に努力をして、
自力で飯を食っていけるようにならなくてはならない。

ことあるごとに、そう言い聞かせられたのを覚えている。

まるで天使のように純真無垢であった幼稚園児(僕のことだ)にとって、
将来はプロ野球選手になるんだと夢想していた小学生(僕のことだ)にとって、
母親からくだされる「お前には才能は無い」という無慈悲な言葉は、
当時としてはちょっとした衝撃だった。
「いやいやそんなことはない!」
「なんと無体な!」
と、こどもながらに思っていた。

しかし、こうして成長してみると
「まぁ、そりゃそうだよな」と「母親は正しいよな」と思う。

こどもに対する教育として賛否はあるだろうけれど、
こどもの時からしっかりと現実の厳しさを教え込んでくれたおかげで、
僕はなんとかここまでやってこれていると思っている。

あの言葉があったからこそ、
努力をする意味というのを知ることができたし、
努力をすれば、なんとかなるものだということも実感として分かった。

努力するしかない、努力をすれば良い。
本当に単純で、まったくもって正しい言葉だと思う。

結局のところ、才能のあるなしというものは、
多くの場合、相対的なものなのではないだろうか。

ある人から見れば、僕は才能があるように見えるかもしれないし、
違う人から見れば、まったくもって才能がないように見えるかもしれない。

そうであれば、才能のあるなしをいちいち気にするのは無駄な事なのだ。
そんなことを考えている暇があったら、さっさと努力をすればよいのだ。

そんなわけで、今の僕を支えてくれている「勇気をくれた言葉」は
「才能のないものは努力をするしかない」です。

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