建築の設計

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G-Hall house

  • 令和6年
  • 東京都豊島区
  • 写真:東涌 宏和

本棚を見れば、その人のひととなりがわかるような気がする。読んできた本はその人そのものを形成する大きな要素のひとつであり、本棚はその人の人生であるといってよい。

この家は本棚の中に暮らしの場がある。

本棚に囲まれた暮らしというのは、自分自身の過去と向き合いながら暮らす行為なのかもしれない。世界の終わりで影から切り離されながら、図書館に保管されている一角獣の頭骨に閉じ込められた古い夢を読むように。

あるいは、新たな本を絶えず本棚に加えていくことで、自らの未来を形成していく実践の場であるとも言えるかもしれない。

過去でもあり未来でもある。それはすなわち今である。過去と未来の間である今を生きるには、これほどに適した場所はないかもしれない。

ワインセラーに保管されたワインから、今夜の一本を選ぶ。本棚から、今夜の一冊を選ぶ。本とワインとともに、夜が更けていく。