パン屋がない!
商店街の活性化について話をしていた時、
「この商店街にこういうお店が欲しい! と言われたら何を思い浮かべますか?」
という問いに対して、真っ先に力強く上がったのが、パン屋でした。
そんな一言から始まったパン屋誘致プロジェクト。
様々なご縁が重なり合って、あれよあれよと開業してくれるパン屋さんが見つかり、
商店街の一角にビルの建設が決まりました。
話はパン屋だけで終わらず、
これを契機に商店街を盛り上げようという機運が高まった結果、
ビルの屋上を地域に解放する広場にすることにしました。
いまでは、地域の様々なイベントが行われるようになった、屋上庭園。
座ったり、舞台になったり、寝転んだり。
異なる高さにウッドデッキが貼られることで、
地域の方々が思い思いに屋上で過ごせるようになっています。
外観はコンクリートの打ち放し。
背の高い建物になるために、コンクリートに目地を縦横にいれて、
無機質ではありながらも、特徴的な表情をつくりました。
屋上庭園へと続く階段は、遠くからも視認できる赤い階段。
地域の人たちに「あそこのことだよね」と認識されています。
小さな商店街の角地に、
建物としても、空間としても、行為としても、
人が集えるランドマークが完成しました。